LIGH−TAPとORGOPPY

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更新: 2016年5月31日

サウンド:
 ORGOPPY:電子オルゴールの音から、シャッターの閉める音。
 LIGH−TAPの音はありません。




PHOTO: 石塚 壮
開発スタッフ
  • 回路制作、ケース加工:高橋 大
  • 高橋 大氏開発の恐るべき問題作!!

     左:テーブルタップの差込口6箇所に、発光ダイオードを組み込んだ使用用途不明の物件。下記の「開発者からのコメント」参照。
     右:フロッピーディスクの中に、電子オルゴールを組み込んだ、つまりハードがなくても再生出来るソフトウェア。シャッターを開けると音楽が鳴る。



    開発者からのコメント
    LIGH−TAPについて by 高橋 大

     以前、点滅回路を制作するにあたって、工事用点滅灯の回路分析を行い、必要な部品を調達してもらったことがありましたが、その後途中放棄してあったままの物件を、今回簡略化して仮完成させたものです。
     本来であればトグルスイッチの部分にはCDSと回路が組み込まれ、暗くなると6個の発光ダイオードが点滅する予定でした。しかし、ほとんど組立を終えた時点でトランジスタの型番に問題があったらしいことが判明し、結局未動作に終わりました。
     その後、新たにトランジスタを調達してもらったのですが、回路の小型化のためには、かなりアクロバティックな配線を行わなければならず、前回で懲りてしまったその手間を考えて、そこの部分をただのスイッチに置き換えた、というのがこの物件の経緯です。
     ですからつまり、「ただのスイッチに置き換えた」のだから、「ただ光るだけ」になってしまいました。しかし、この物件には以下のような恐るべき構造が隠されているのでした。

     恐るべき構造とは以下の通り。

    1.用途不明である

     これはいったい何に使うものであるのか!理解を超えたところに怒りすら生じせしめます。制作者にもさっぱりわかりません。これがたとえ点滅しようとそうでなかろうと、用途不明であることには変わりないのです。点滅する必用は全く無く、ましてや発光する意味すらも無い。点滅回路の制作という目的は制作を開始した時点ですでに消滅し、失われているのです。手段が目的を稜駕したその彼方にある、恐るべき黄泉の物件です。

    2.もう二度と作れない

     正確には「もう二度と作りたくない」というのが適切な表現でしょう。鋭い方ならばもうお気づきのことと思いますが、この物件の本体部分には、実は家庭用のコンセントタップが使われているのです(って、見たまんまやないけ!)。
     一般家庭で用いられるコンセントの部品は、当然ながら一般家庭で用いられる電力に十分に耐えられる用に設計されています。つまり100Vです。100Vですよ。1.5Vの乾電池を直列に67本繋いでやっと実現できる電圧です。恐るべき数字です。
     ですからちょっとやそっとのことでは壊れないようになっているのです(ちょっとやそっとの事で壊れてしまっては大変なことになってしまいます)。したがって、これは非常に燃えにくいし、壊れにくい。つまりヒジョーに加工し難いと言うことです。金属のように粘りがないので切削出来ないし、はんだごてを押し当ててもびくともしない。これには心底腹が立ちました。しかも、裏蓋を止めるネジを紛失してしまい、ピッチと直径の合う長ネジを拾ってきては途中で切断して使用する、という不要な手間まで加わってしまいました。悪魔のような堅牢耐熱樹脂を鬼のような執念で加工した、恐るべき根性の物件です。

    3.単4電池を丸ごと2本使用している

     一見普通の事のようですが、一度まともなコンセントタップを分解して中をご覧になっていただきたい。びっちりとジョイント用の金属が折り重なり、強烈な凸凹がそれを支えているはず。これを電子部品を内蔵するケースにしようなどと考えた私が馬鹿だった。普通はここで諦めます。しかし、私は普通ではなかったのです。どの程度普通でないかというと、「捨てるにはもったいない」という理由だけでそれをケースとして採用し、更に「手元にたまたまあったから」という理由だけで、単4電池を2本も内蔵してしまうほど、普通ではないのです。部品代は数百円ほどなのに、それを諦めることが出来ず多大な労力をつぎ込むこの無駄さ加減。人件費とはなんぞや!?意地と貧乏性が真っ向から対決した、単価は安いが人的コストは膨大な恐るべき矛盾の物件。
     ちなみに、裏蓋のネジを外すだけで簡単に電池の交換が出来ます。



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