052: ちょーMM
2010年12月2日(木)~
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米本: ちょーMMは、サン・マイクロシステムズの三つボタンのマウスから発する信号を、強引にMIDI機器にブチ込んで暴走させるために開発したユニット。原案は二見信洋さんで、最初期のコラボ作品。MMの意味は、「マジむかつく」ではなく「マウスでMIDIを鳴らしましょ」。
米本: MIDIシーケンサーを暴走させることによる新しい音楽の生成、コンピューターソフトによる予定調和のランダムよりも、機器破壊の恐れもあるちょーMMは、何が起こるか予想できない不安な時代を反映した、真の現代音楽のための装置であります!! 二見: ほんとに? 米本: …というわけで、今日は二見信洋さんに来て頂きました!どうも! 二見: ゴイスー。 米本: ご、ゴイスー…? ところで、ちょーMMは確か2000年の5月ぐらいに、マウスでMIDIを鳴らす計画があるとメールをもらって、凄く感動してね。当時、二見さんを紹介してくれた中学の後輩が同じ職場で、彼がマウスに発振器を組み込んだ自作楽器を作っていて… 二見: そうだ!彼のマウスでビービーに闘志を燃やし、いきなり思いつき計画第134段、その名も「チョーMM(マウスでMIDIを鳴らしましょ)ってカンジ」 うわー、自分で言うのも恥ずかしいネーミングですなあ。 米本: でも当時、とにかく興奮したのよ!みんながパソコンだけで音作りすることに反発して、違う角度から何か面白いことがないかって模索してたの。それで思いついたのが「MIDIストーカー計画(俺は通信信号だ!ヘンな事に使わないでくれ! とMIDIの叫びが聞えそうな企画なので)」で、つまりMIDI信号を強引に音として聞いたり、別の信号として利用したりするアイデアだったんだ。このときの成果は後にMIDI男にまとまるんだけど、このチョーMMはこの計画とばっちりシンクロしてね、凄くワクワクしたんだ(笑)。でも…そもそも何でこんなこと思いついたの? 二見: とある場所で、壊れたサンのマウスを手に入れたので、分解してみたんですよ。中には得体の知れないICが入っていて、ケーブルが4本出ていたんですね。 そのケーブルを追っていくと、電源供給用と多分データ用があって、単に電源ケーブルに5Vを入れたら、そのデータケーブルから「ぶぼぼぼぼぼぼぼ」というような音(データ)が出たんですよ。で、その昔、親父殿に買ってもらったカシオのMIDI付きキーボードのMIDI-OUTにクリスタルイヤホンを付けてみたことがあって、そのデータを聞いた音に似ていた(?)ので、MIDI機器に「テキトー」に繋いでみたら、なんと、イゴきだしたんでね、あ、こりゃー米本さんにお裾分けしたらいいかな?と思った結果がコレなのでゴワす。 米本: ゴイスーっ!私よりも遥か昔に既にMIDIの音を聞いていたのね(笑)。
二見: その昔というのは中学生の頃で、もうね、なんというか、ワケもワカらず電子工作をしていた頃なんですよ。
でまあ、秋葉原で安いLED(と言っても、LED一つが20~50円する頃)を買ってきて、これまた繋げてピカピカ光らせていたのでゴワす。
そういうのもあって、あ、MIDI信号ってのは、必要なときに信号が出力されるんだなあ(※)と知ったんですよ。
米本: なるほど、MIDI信号をLEDでピカピカってのは、私も初期の頃やったなぁ(笑)。
二見: あー、ハンダ吸い取り線でチャタリング(写真:左)させて、MIDIデータもどきを作ったりして。 米本: 私は私で、乾電池につなげた線をMIDI端子(写真:右)へ、小刻みに付けたり放したり(笑)。とにかく小刻みにオン/オフを繰り返す信号させ作ればMIDIとして騙せるだろと。 二見: うわあ、考えられないコトをやるもんだなあ。(・O・) 米本: んで、そうこうしているうちに、せっかくだからちゃんとしたユニットとして形に残したいと思って。二人で秋葉原で集合して、部品を買って工作を始めたんだよね。 二見: そうそう、懐かしいねえ。 そして実験していると、米本さん欲張りだから、「PS/2マウス(ウィンドウズのマウス)とかMACのマウスも」って言い始めたんだよね。で、今のSYSTEM Yよりもちょっと大き目のタカチケースに、とりあえず各社のマウスで使われている端子をボンボンくっつけたんだっけねえ。
米本: 何がしたくてこの世に誕生したのか全くわからない機械だね(笑)。改めて写真を見ると、ハンダ吸い取り線でチャタリング信号を作るためのミニ端子もあるね。 二見: そうですなあ。はっはっは(^▽^)
助手: 笑ってる場合じゃないですよ!
二見: 誰?
米本: まぁ、いいからいいから(笑)。で、もちろん作曲ツールとしてチョーMMは活用していたんだけど、サンのマウス以外はうまくいかなかったので、ずっと放置しておいたの。しばらく仕事が忙しかったこともあって、二見さんと工作する機会も減ってね。 |