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054: まうみん

2010年12月25日(土)~

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米本: 改造マウスを動かすとスクラッチのような電子音が出ます。また右クリック左クリックで、それぞれトリガーが出せます。
二見信洋さんとの初期のコラボ作品で、ちょーMMに続くマウスシリーズの第二弾。

米本: 二見さんとちょーMMを作っている頃、私もマウスについて勉強していて、師匠の山内さんのところへ行っていろいろと相談に乗ってもらっていたんだけど、そのときマウスの中の信号そのものを聞くというアイデアを二人で思いついて、その場で分解して実験したんだ。そうしたらスクラッチのような音が出てね、ちょーMMの工作のときに、二見さんに手伝ってもらってこれもユニットとして完成させたんだ(ちなみに二見さんと作った最初のモデルはこちらへ)。
マウスでテルミンのような音が出せるから、まうみんと名付けたの。

助手: つまりマウスや本体のユニットの中には、何も特別な音源は…?

米本: そう、入っていないんだ。ちょっと難しくなるけど、ごめんね(笑)。ボール式マウスの中には回転するスリットの入った円盤があるんだけど、発光部と受光部の部品の間をそれが通過すると、規則的に光が遮られてオン/オフを繰り返すのね。

助手: マウスを動かすのと連動してスリットの入った円盤が回転するわけですね。それで、電気信号が流れたり止まったり、つまりオン/オフを繰り返すと。

米本: ↑二見さん、図解、ありがとう! そう、通常は、そのオン/オフを繰り返す数をカウントして、パソコンにマウスがどれだけ移動したかを伝えるのだけど、何と!これはそのオン/オフそのものを音源としているんだ。

助手: 何と!それじゃ本体のユニットの中は…?

米本: 凄く大ざっぱに言うと電源だけなんだよ(笑)。でもシンプルがゆえに、鳴らしてみるとわかるけど、動きが凄く自然に音となって出ている感じがするよね。

助手: 確かに!物理的に擦っている感じに近いです!楽しい~っ!

米本: ちなみに、物理的に回転する円盤が光を遮ることを原理としている電気楽器って、歴史的に見て結構昔からあるのよ。テルミン博士のリズミコンや光学式オルガンとか、ちゃんと電子楽器の歴史を踏まえた音源なんだよ、まうみんは(笑)。

たぶん本来なら矩形波のような音になると思うけど、手で動かす場合、等速直線運動は難しいからね(笑)。でもそれが味になっているんじゃないかな。ターンテーブルによる本物のスクラッチもそうじゃない?

助手: そうかもしれませんね。

米本: 更にマニアックな話しをしちゃうとね(笑)、ボール式マウスの中にはスリットの入った円盤と軸がボールを挟むように2つ直角に入っていて、それぞれX軸(横方向)とY軸(縦方向)となっているの。だからパソコンの画面上のどこにマウスカーソルを表示させるか、その座標がわかるわけ。またまた、二見さんに図解をお願いしよう、宜しくです!

米本: で、まうみんはX軸とY軸の両方の信号が聞けるようにしてあるんだ。通常のアウトプットからはX軸とY軸の信号がミックスして出ているんだけど、パラで出すことも出来るだよ。

助手: なるほど。横方向に動かした音、縦方向に動かした音、つまり2つの音が鳴っていて、一緒にも別々にもスピーカーから鳴らすことが出来るんですね。

米本: そうなの!そうなの!楽しいよ。X軸とY軸をパンで振ったり、別々のエフェクトをかけたりとかね。

更に2011年11月に改造してパワーアップ!! 右クリック、左クリックで5Vを出せるようしたんで、アナログ・シンセやシンセドラムをトリガー、SYSTEM Yの他のユニットを動かすこともできるようになったんだ!

二見: ゴイスー。

米本: コスモワークスという音楽グループのコスモさんからオーダーを頂き、彼のために全く同じ仕様のまうみんを作りました。左の写真は貴重な2台のツーショット。
コスモワークスのアルバム"1 room glitch"では、まうみんが効果的に使用されています。 コスモワークスのオリジナルのヨネミンも使われています。ぜひ聞いてみてください。
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