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109: Mr.INVERTER

2012年10月2日(火)~

回路記号(MIL記号)

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米本: NOT回路(論理否定回路)を4つ搭載したユニットです。入力端子に何も入れないと出力端子から5Vが出ていて、入力端子に5Vを入れると出力端子が0Vになるという…

助手: なるほど、つまり反転動作する回路なんですね。でも何に使うんですか?

米本: 電子回路的にはとても重要なものなんだけど、日常的に使うことはあまりないかもね(笑)。

助手: 米本さんのユニットたちのほとんどは日常的に役立たないものが多いよう思いますが…。

米本: それ言われると辛いんだけど(笑)、まぁ創造力を刺激する芸術作品だと思っているから。でも私的にはちょー便利なユニットばかりだよ。売ってたら絶対買うね!

さてさて、このユニットの目的は2つあって、1つは論理回路の勉強。今後、他の論理回路もユニット化する予定で、それらを組み合わせることで、電子回路の基礎の基礎が楽しく学べる、っていうか、私自身も改めて学びたいと思っているの(笑)。論理回路に凄く詳しい熊秀さんの愛称でお馴染みの熊秀創吉(Kumahide-Soukichi)さんと更にアイデアを膨らませているところなんだ。

もう1つは、シンセをつなげるときのコンバーター。アナログシンセに詳しい方ならご存知だと思うけど、メーカーによってトリガーの極性が逆さまな場合があるのね。例えば私が愛用しているKORGのMS-10からROLANDのSH-101につなげた場合、SH-101が鳴りっぱなしになって、MS-10の鍵盤を押すとSH-101が鳴り止むって状態になってしまう。そこでこのMr.INVERTERを間に挟めば、ちゃんとMS-10の鍵盤を押したときにSH-101が一緒に鳴ってくれるようになる(注1)

(注1) マニアの方に突っ込まれそうなので書いておきますが、トリガーの極性を合わせたところで、両機種のCVの変化率(KORG: Hz/V, ROLNAD: Oct/V)が違うのでユンゾンで演奏することは出来ません。コンバーター無しでユンゾンで演奏する方法もありますが長くなるので省略させていただきます。

米本: シンセバーというイベントのMS特集(2012年10月3日)のとき、私のMS-10も展示したのだけど、そのときに熊秀さんが作ってくれたアナログ・シーケンサーのクマはちをつなげようと思ったの。そうしたらトリガーの極性が逆だったことを思い出して、急遽このMr.INVERTERが誕生したんだ。当日はうまく接続できたので盛り上がったよ。

米本: このユニット、何とNOT回路が4つあるから、反転の反転の反転の反転が出来るよ!

助手: 反転の反転の反転の反転じゃ、元に戻るだけじゃないですか!

米本: いい所に気付いたね。試しに入力端子(1)に電鍵くんをつないで、出力端子(1)を入力端子(2)へ、出力端子(2)を入力端子(3)へ、出力端子(3)を入力端子(4)へ、出力端子(4)にLEDのユニットのダイ助をつなげてみた。

二見: つまり図にするとこういうことですな。

米本: あっ!二見さん、ありがとう!
で、電鍵くんの電鍵を押したら…… 普通にダイ助のLEDが点いたよ(笑)。

ちなみに中身ですが、9Vから5Vを作る電源回路以外は、74HCU04というICが1つ入っているだけです。
反転させる回路としてはもちろんですが、信号整形やちょっとしたバッファーとしても活躍しています。