電子古楽器研究仲間の藤野純也さんから、ご自身の論文「ストコフスキーのエレクトリック・オーケストラ-計画の詳細とその経緯-」の抜刷を頂きました。
ストコフスキーという20世紀前半に活躍した指揮者が、テルミンやオンド・マルトノなどの電子楽器とオーケストラとの融合を試みましたが、大変残念ながら実現しませんでした。残された文献や資料から、その計画の詳細、頓挫してしまった経緯の推測などなど、とても興味深く読ませていただきました。
この論文に教えてもらったことは、ストコフスキーは何か奇抜なことを考えていたわけではなく、オーケストラの音色・音量の拡張、つまり表現力を増すために電子楽器を取り込むことが目的だったようで、むしろ今日の映画音楽のように、生のオーケストラと打ち込みサウンドと具体音を混ぜて、電子的にド派手に加工する手法の流れに通じているように思いました。
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