ケイブンシャの大百科は、特撮ヒーロー番組や怪獣や怪人、テレビアニメ、ロボット、スーパーカー、プラモデル、ゲーム、アイドルなどの情報を詰めるだけ詰め込んだ文庫本サイズの豆本の総称。平均300ページで更に厚い紙を使用していたため3cmぐらいの厚みがあり、見た目も内容的にもかなりのボリューム感があった。70年代末から2002年まで子供向けのHOW TO本として発売が続いていたまさに元祖サブカルのガイドブックだった。そのケイブンシャの大百科シリーズをまとめて解説した本が出版された。
伝説の70~80年代バイブルよみがえるケイブンシャの大百科黒沢哲哉 編著
「素晴らしきインチキ・ガチャガチャの世界-コスモスよ永遠に-」を書店で購入したときに見つけて、うわーっ!こんな本も出ているんだと驚いて手に取った。
子供の頃、本はどちらかというと物語よりも図鑑のほうが好きだった。そもそも人情や恋愛など多くの経験によって獲得する感情がまだまだ発展途中の子供にとっては、的確な説明で少なめのテキスト、たくさんの図解、写真やイラストで構成した図鑑のほうが魅力的だった。そしてそのフォーマットに子供カルチャー界で大人気のモノを詰め込んだ本が売れないはずはなかった。そう、ケイブンシャの大百科シリーズは、当時の子供たちのニーズにぴったりだったのだと思う。
「よみがえるケイブンシャの大百科」は、紹介文が楽しく書かれていて、そうそう!あれもあった!これもあった!という懐かしさはもちろんだが、こんなものまで出版されていたのか!と、知らなかったシリーズから忘れられていた子供カルチャーのネタを思い出しそこからまたいろいろと刺激を受けたり、「アウトサイダー・プラモデル・アート-アオシマ文化教材社の異常な想像力-」や「愛しのインチキガチャガチャ大全-コスモスのすべて-」同様、掲載されている関係者のインタビューから送り手としての考えや想いを学ぶ本とも言えるだろう。ぜひお手に取って読んでみて欲しい。
凄く楽しかったエピソードはP.132からの「大百科伝説①」。映画「宇宙人東京に現わる」に登場する私の大好きな「パイラ人」の説明がシリーズを通してずっと間違っていたこと。平和と秩序を愛する宇宙人なのだが、人類の滅亡をくわだてていると紹介されてしまっている(笑)。私も映画を見て知っていたので大爆笑してしまった(笑)。
それと1983年に出版された「アニメアイドル大百科」(P.76)。アニメの美少女キャラをまとめて紹介した本だが、これを見て当時の絵柄のバラエティーさと、そもそも美少女キャラは1つの要素に過ぎなかったことを思い出した。その後の多くのアニメ作品では関係性が逆転し美少女キャラを主軸に展開するようになっていったことを思うとなかなか感慨深いものがある。
さてさて、我が家に今でもある大百科シリーズはこの3冊。
左から
110 マイコン大百科 マイコンのすべてを知ろう
041 続 仮面ライダー大百科 ライダー怪人のすべて!
039 続 ウルトラマン大百科 ウルトラ怪獣のすべてがわかる!
うーん、どれも懐かしい!…っていう過去のものでは全くなく我が家では現役バリバリの実用書である。そもそも私の私生活や交友関係にかなりの問題があると思うが、ウルトラマンの怪獣や仮面ライダーの怪人は、日常的に話題に出てきたり、名前や特徴を確かめることが頻繁にあるのでとても重宝している。「マイコン大百科」も昔のコンピューターやテレビゲームは電子工作のアイデアの宝庫であり、SYSTEM Y作りでもかなりのヒントをもらっている。
というわけで、お約束のSYSTEM Yへの影響だが(笑)、今回は「続 仮面ライダー大百科」のP.291とP.293から。
私が工作で使用するMIDI端子(DINの5ピン端子)は、何となく目の形に似ていると思っていたのだけど…。
仮面ライダーストロンガーに登場した「1つ目タイタン」と、「MIDI男」の初期バージョン(現在は2つ目になってしまいました)。
更にMIDIの入力を9分割して出力する「MIDI PARA BOX」を作ったとき、この気持ち悪さが何かに似ていると思ったんですよ。
で、思い出しました。同じく仮面ライダーストロンガーに登場した「百目タイタン(1つ目タイタンの改造再生)」だと(笑)。
最後に、ここ最近80年代子どもカルチャーについてツイッターでつぶやいていたら、サーキット・ベンディングで有名な音楽仲間のKaseoさんからこんなツイートがあった。
いやいや驚いた!!そう!私が目指していたのはこれだったんだと(笑)。SYSTEM Yの各ユニットを紹介したホームページも、どこか「ケイブンシャの大百科」や、「学研のまんがひみつシリーズ」を意識していたことを思い出させてくれた。さすが!ありがとう!
いつかこのケイブンシャの大百科の形式でSYSTEM Yのガイドブックが作れたらいいなぁ~と夢見ている。
もちろん写真は架空のもので、米本電音研究所の優秀なスタッフに作ってもらいましたw。
更に、この本の「怪人電気音楽家列伝!」で大人気のアーティストで何と一冊が誕生!…ってのも楽しいなぁ~w。
画像は@sn76477さん作成。
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